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採薬使記
中奥州
照任曰、奥州薮川と雲ふ所より樺木お出す、土人是れおしらかばと雲ふ、又御姫が岳と雲ふ所よりも多く出す、 光生按ずるに、今和邦にかばと雲ふは、桜の一種にて所々にあり、しかれども本草の樺木の説に合ず、甲州又信州飯田などに多く生ず、土人かんばの木と雲ふ、此木の皮お煎じ、万の腫物に用ゆるに甚だ妙ありとて、甲州の人専ら雲伝ふ、徳本の家方なる由、