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大和本草
十果木
栗〈◯中略〉 栭栗(さヽくり)、さヽとは小なるお雲、小栗なり、又しはぐりと雲、爾雅註、江東呼小栗為栭栗、崔禹錫食経には芫子と雲へり、春初山おやけば栗の木もやくる、其春苗お生じ、其秋実のる、地によりて山野に偏く生ず、貧民は其実お多とりて粮とす、筑紫に多し、庭訓往来に宰府の栗と雲是なり、蘇恭が茅栗細如橡子と雲しもしばぐりなるべし、