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源平盛衰記
十六
三位入道歌等附昇殿事 源三位入道は〈◯源頼政、中略、〉四位の殿上人にて、久世に仕え奉けるに述懐仕て、上(のぼ)るべきたよりなければ木の本(もと)に椎お拾て世お渡る哉、と申たりけるに依て、七十五にて三位お被免て後、先途既に遂ぬとて、出家して、源三位入道ともいはれけり、