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本草弁疑
五和薬
久奴木(くぬき) どんぐりの皮とも、又木はどんぐりて、実のならざる木の皮お用とも雲、匱、〈多識〉くぬき、今按に、けやき、 此和名非なり時珍曰、檞有二種、一種叢生、小者名(○○○)枹(○)、〈音孚〉一種高者名(○)大葉櫟(○○○)、樹葉倶似栗、長大粗厚、冬月凋落、三四月開花、亦如栗、八九月結実、似橡子而稍短小、其蒂亦有斗、其実僵澀味悪、荒歳人亦食之、其澀理粗不及橡木、 木皮、俗名赤竜皮、 此説皆どんぐり也、主能も瘡気によし、然れば赤竜皮お久奴木と訓じて、どんぐりの木皮お可用也、