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大和本草
十二雑木
へらの木 葉は椋の木、桑及木槿に似たり、長ぜんとする時早く其株お切れば、一根より多く叢生す、小なる時不切、一株長ずれば大木となる、榿の木の叢生あり、喬木あるが如し、其皮お剥て麻お製する如にして縄とす、農夫是お以馬具に作る、又農夫皮お以腰蓑につくる、又これお以むしろおおる糸とす、本草喬木類に莢蒾あり、葉似木槿小、樹皮堪為索といへり、疑らくは是なるべし、葉の間より菩提子の如なる薄葉生じて、其薄葉の半より実なること恰如菩提子、奇物なり、