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重修本草綱目啓蒙
二十三夷果
都念子 詳ならず〈◯中略〉 古へよりつくば子(○○○○)に充る説あれども穏ならず、つくば子は一名こぎのこ、たからまん、〈天台山〉こぎのき、はごのき〈仙台〉諸州高山に多し、葉は水〓樹(いぼたの)葉に似て、末尖り両対す、夏月枝梢に花お開く、四弁大さ三分許、淡緑色、後実お結ぶ、黄豆(しろまめ)の大さの如し、上に四つの細長葉つきて、正月女児玩ぶ所のはごの形の如し、故につくば子と名く、塩蔵し貯て食用とす、味榧実の如し、常州筑波山の名産なり、北国には肥長にして榧実の如き者あり、漢名詳ならず、 増、一種こつくば子(○○○○○)と雲ものあり、近山に自生多し、小木なり、葉に鋸歯ありて、かうやばうきの葉に似て両両相対す、葉辺微しく紫色お帯ぶ、四五月葉間に花お開く、本は筒子(つヽさき)にして、末四弁に分る、胡麻の花の如し、白色にして黄斑点あり、又黄花の者あり、紅花の者あり、共に花後蒂中に小子お結ぶ、細長くして鍼の如し、これ女南甫史の金雞樹なりと雲、参考すべし、