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重修本草綱目啓蒙
二十三香木
木蘭 もくれんげ しもくれん 一名生庭〈名物法言〉 女郎花〈粧楼記〉 庭院に多く栽ゆ、叢生す、木高さ八九尺、葉大にして柿葉の如く末広し、長さ七八寸光沢あり、春新葉お互生し、初夏枝上ごとに一花お開く、七八弁、形蓮花の如く、弁狭くして、外は深紫色、内は白色微紫、香気ありて瑞香の如し、中に寸許の心あり、形筆頭の如く、紫刺乱布す、女南甫史に、如小浮屠と雲、周辺に黄蕊あり、唐山には白花黄花もありと雲、本邦にはなし、今世に白木蓮と呼ぶ者は、玉蘭にして木蘭の類に非ず、辛夷の下に詳なり、 釈名、杜蘭は石斛と同名、林蘭は、石斛及〓子(くちなし)と同名、木蓮は、木芙蓉(ふやう)及蔓草の木蓮(いだび)と同名、