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栄花物語
三十鶴林
またこのほどに、あさましうあはれなりつる事は、侍従大納言〈◯藤原行成〉の同じ日よりあやしうれいならぬかぜにやとて、朴おまいりゆゆてなどして、心み給ひけれど、いとくるしうのみおぼされければ、いかなるにかと覚し、殿のうちも、よろづに御いのりもさはぎけるに、四日〈◯万寿四年十二月〉のよさり、とのヽ御まへ〈◯藤原道長〉のおはらせ給ひしおりにこそ、うせ給にけれ、