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紀伊続風土記
物産六下
岡玉乃木(おかたまのき)〈古今集、樹大なるは丈余、葉互生して、大さ竪三寸、幅一寸半許、本細く末闊く、鋸歯なく辺脈反る、正月の末、葉の本より小枝出て穂おなし、開花は白色、弁莘第花の短小なるが如く、花中紫色あり、一花毎に実お結び、累(るい)々として神楽の鈴の如く、秋深く実の皮裂て、中に赤仁三四顆づヽあり、殆海桐の実に類す、日向高千穂峯にあるおがたまの木は此木にあらず、前条のがうまるなり、〉 牟婁郡那智山、及名草郡日前宮国造家庭中、其余人家処々に希にあり、