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大和本草
十一薬木
樟脳 樟と楠と一類二物也、国俗くすの木と雲物二品あり、一品は香つよく、木心黒赤樟脳お煎す、是樟なり、一品はいぬぐすと雲香少し、木心色赤黒ならず、是楠なり、楠には大木ある由本草にいへり、今所々楠の木多し、佗木に楠ほど大なるはなし、楠の根に米泔おそヽげば必枯る、文海披砂曰、建寧の都司に有五代時樟木、其竅中可設数席といへり、大木は傍朽空しきあり、日本にも如此大木あり、