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伊豆海島風土記
下産物
またみ(○○○) 樟なるべし、国地の玉くすと雲に似て木大なり、性も楠に等しく、板にして船お造るに久しくたもつ、皮お煎じて衣お染るに、とび色となる、八丈貢絹のかば色と雲は、此お以て染る、首夏に花咲、実は六月に熟す、此実お搗末して麦粉に交え、土人粮とす、本草に樟は楠に似て夏細白花開く、船に造るとあり、