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重修本草綱目啓蒙
二十三香木
釣樟 詳ならず くろもじに充る古説は穏ならず〈◯中略〉 増、釣樟はいぬぐす(○○○○)なるべし、山中樹間に自生多し、小木にして高さ僅に丈許に過ぎず、樟葉より尖長にして、葉蒂赤色お帯び、葉中の気脈に及ぶ、葉背粉紅、枝葉共に樟に比すれば淡緑色なり、釈名時珍の説に、樟有大小二種、紫淡二色と、其小にして淡なる者、又蘭山翁、樟の条に、中心赤黒ならざる者おいぬぐ、す、一名しろぐす(○○○○)と雲と、是なり、但樟木の気あれども、樟脳お取べき者にあらず、