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倭訓栞
中編一阿
あぢさい 新撰字鏡に見ゆ、万葉集に味狭藍とかける味はほむる詞、狭藍は花の、色おいふ也、倭名抄には紫陽花あづさいとみゆ、白氏文集お引り、南部新書に、招賢寺僧植桂、香紫可愛、郡守白公曰紫陽花と見えたり、歌に、よひらのはなとよめるは、花の四枚にさくおいふ也、唐あぢさいあり、其樹たち葉もうつぎに似たり、尖あぢさいともいふ、花の形による也、六月に咲り、草あぢさいあり、秋花さくべにかたに似たり、よて草額ともいふ、