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重修本草綱目啓蒙
十三毒草
常山〈◯中略〉 土常山(○○○)はあまちや(○○○○)、別に絞股藍(つるあまちや)あるゆへ、木あまちや(○○○○○)とも雲、一名甜葉、〈延平府志〉三百頭牛薬、〈甘草発明〉城州の宇治田原に園おなして栽ゆ、諸州深山にも亦多し、木の高さ二三尺、葉土牛膝(いのこづち)葉に似て狭く鋸歯あり、葉の末紫色お帯び両対す、五月枝の梢ごとに花あり、形蝴蝶花(がくさう)に似たり、砕小弁の花内に攅簇し、外に四弁の大花とりまき開く数色あり、外碧にして内白き者、内外碧色なる者、外白く内浅紫なる者、外碧にして内淡紫なる者、内外白き者、内外淡紅なる者あり、葉お採り蒸し、揉て青汁お去り飲とす甚甘し、今四月灌仏に供する者これなり、又一種形同して葉甘からざる者あり、こがく(○○○)と雲、土常山の一種なり、大和本草にきあまちやの一名とするは非なり、