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枕草子

木の花は うの花はしなおとりてなにとなけれど、さく比のおかしう、郭公の陰にかくるらんと思ふに、いとおかし、まつりのかへさに、むらさきのヽわたりちかきあやしの家ども、おどろなるかきねなどに、いとしろう咲たるこそおかしけれ、あおいろのうへにしろきひとへがさねかづきたる、青くちばなどにかよひていとおかし、