[p.0334]
倭訓栞
前編三十三毛
もヽ〈◯中略〉 近世種類多し、〈◯中略〉さねはなれお解〓といへり、毛桃漢名同じ万葉集にも見ゆ、にがもヽともいふ、緋桃も漢名なり、冬桃あり、花は単へ也、博玄が冬桃賦あり酉陽雑俎に西王母桃と名く、我方にて西王母と呼ものは寿星桃也、一花両実の者おめおともヽといふ、群芳譜に鴛鴦桃といへり、紅白相交るお源平桃といふ、旗の色によれり、群芳譜に日月桃といふ、しだり桃あり、八重一重あり、藻塩草に夏桃あり、一歳桃あり実お殖て尚年に花咲り、西王母に似たり、はヽき桃と称するは地膚のごとし、菊咲と称するは花菊のごとし、