草木六部耕種法

十九需実

李(すもヽ)は〓お栽たるお、其儘成長せしも宜し、唯其実大に甘美なる種子お撰べし、此お植法、〓子お九月の初めより肥たる土中に埋置て、翌春芽少し出たるお、肥地に畦お作り、五寸づヽ間お隔て、一粒づヽ植え、土七八分づヽ覆ひ押付置き、苗延たらば時々泔水お澆て長ぜしめ、翌年正月中二間づヽ隔て、一本づヽ移栽べし此物は、耕把たる熟地おば甚嫌ふ者なるが故に、畑間か野地等に直に栽お良とす、但根辺の草お耘べし、四五年間に繁衍して実お結に至る、正月元日或十五日に、石瓦等縄にて括り、木の股に掛置ときは、火しく実の結者なり、