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草木六部耕種法
十九需実
杏子(あんず)、亦〓お植たる儘にて成長したるは、実小く味苦し、宜く苗お為立て、移し植て接木すべし、其法梅に異なること無し、且此の物は、梅桃、李等お砧木にして接べし、桃お砧として接たるは、実大にして色深紅、其味甘く、殊に上品なる美果なり、杏子は寿木にて百年お経ると雖ども、能く実の結者なり、然れども成長したる木は移し植うべからず、大抵繁生すること無く枯死者なり、又此物は正月木の下お大槌にて打ち、三月根お去ること、二三間隔て畦お作り、水お漑て潤すときは火しく実結者なり、