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重修本草綱目啓蒙
二十一五果
巴旦杏 あめんどう(○○○○○) あめんどうす(○○○○○○) 一名杏榛〈女南甫史〉 八丹杏〈同上〉 八達杏仁〈遵生八揃〉 和産なし、紅毛人持来る、杏〓なり、其仁お採り薬とし果とす、巴爾斉亜(はるしや)国咬〓吧(じやがたら)国より出づ、尋常の杏〓より大にして黄色其紋細にして堅し、其形大小長短均しからず、仁は杏仁より大なり、生食すれば味栗の如し、紅毛より来る痰の薬にずーとぼーとヽ雲あり、其方巴旦杏鳳尾(とらのお)草お用甘草の濃煎汁にて製すると雲、俗に誤てずどうぼうと呼ぶ、又別にあめんどうと雲あり、小木にして花実お多く生ず、是れ寿星桃なり、巴旦杏の類に非ず、又花家に漢種の巴旦杏と呼ぶ者あり、李類にして真に非ず、 増、本草綱目会誌雲、按に巴旦は国の名、呱哇(じやわ)国に属して咬〓吧(じやがたら)に近し、今多く出る者咬〓吧(じやがたら)、波斯(はるしや)の産なり、阿蘭陀将来の方に、隔咽お治するに、巴旦杏仁、小鳳尾草、氷砂糖、各等分、水煎服す、