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倭訓栞
前編十九那
なし 伊勢飯野郡に一株の古木ありてならずなしといふ、よて嫁娶などの時、その樹下お避て通行せずといへり、枝葉甚梨に似てちひさし、山なしなるべし、実も梨にて丸く、至て小也、ならぬにはあらず、叡山の西坂に不実の柿ある事、元亨釈書に見ゆ、