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重修本草綱目啓蒙
二十一山果
海紅 かいどう〈通名〉 一名花仙〈典籍便覧桂花同名〉 花中神仙〈海棠譜〉 神仙 川紅〈共同上〉 名友〈事物紺珠〉 書客 睡余妃子〈共同上〉 睡妃〈名物法言〉 酔春〈尺牘双魚〉 花貴妃〈事物異名〉 海棠果〈雲南通志〉 暖紅〈撿蠹随筆〉 蓮花海棠〈梅譜、重葉の名、〉 花命婦〈事物紺珠、千葉の名、〉 花戚里〈同上、同上、〉 今漢種多し、春新葉お生ず、林檎葉に似て微く長し、数葉叢生す、先に出る者は緑色、後に出る者は淡紫色お帯て、桜樹の葉の如し、其中に数花お開く、大さ七八分、梅花の弁より微く長し、蕾の時は全く赤くして朱の如し、開く時は半紅半白、内は粉紅色にして、淡紫蘂有て金屑お点ず、蕚茎共にひがんざくらの如し、花戸にて色の淡しき者お杜子美海棠と雲ひ、色深き者お南京海棠と呼び上品とす、花後実お結ぶ、形山査子の如くして味酸し、秋に至り黄熟すれば酸味なし、