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大和本草
十果木
榠樝(くはりん/めいさ) 俗にくはりんと雲、京畿に多し、梨の類木瓜に似たり、大木あり、花は林檎、又海棠に似たり、海棠におくれて開く、実は秋冬熟す、大さは瓜の如し、香気あり、味しぶし、不堪食、性は木瓜と同じ、柿の未熟なる百ばかりある内に、榠樝お一つ入おけば、柿よく熟すと古書にいへり、花梨(くはりん)は木理の美なるから木なり、櫚木とも雲、是とは別なり、本草喬木類にのせたり、中夏より来る、