[p.0372]
重修本草綱目啓蒙
二十一山果
榲桲 まるめろ(○○○○) まるめる(○○○○) まるめいら(○○○○○) おにめろ(○○○○) まるむめ(○○○○)〈南部〉 まるめ(○○○)〈同上〉 ぼうかい(○○○○)〈仙台〉 ぼうかいなし(○○○○○○)〈同上〉 東北に多して西南には少し、故に大和本草にまるめろの形状お説くこと異にして、榲桲に充らざることお雲り、木の形林檎に似て、枝多く広がり、節に瘤あり、春新葉お生ず、林檎葉に似て闊く白毛あり互生す、新枝の梢に花あり、大さ一寸許、五弁水紅色、又白色の者あり、後実お結ぶ、榠樝(くわりん)に似て円なり、秋に至て熟す、黄色微緑香気あれども、榠樝より少し味酸澀、売薬の榲桲円には榠樝お雑ゆる者多し、