[p.0373][p.0374]
重修本草綱目啓蒙
二十一山果
山樝 さんざし(○○○○)〈通名〉 閏月むめ(○○○○)〈種樹家今は呼ばず〉 一名山果子〈医学正伝〉 山栗紅果〈今古医統〉 山栗果〈同上〉 猴梨〈保赤全書〉 柿槎子〈百一選方〉 糖毬児〈同上〉 糖毬子〈本草蒙筌〉 映山紅果〈救荒本草〉 棠毬子〈本経逢原〉 地乙梨〈採取月令〉 山棠梂〈附方〉 小木にして高さ四五尺叢生す、枝又多く繁りて刺あり、春新葉お互生す、長さ一寸許、五岐七岐にして鋸歯あり、枝梢に白花簇生す、梅花の形に似て弁皆上に向ふ、後実お結ぶ、形林檎に似て大さ六七分許、秋に至り熟して赤し、又黄色なる者あり、内に〓あり、牽牛子の如し、薬には〓お去り肉お用ゆ、一種喬木になる者あり、高さ二三丈、或は叢生して二丈許なるもあり、是おおほさんざし(○○○○○○)と呼ぶ、葉大にして形梨の葉の如く、七岐九岐にして鋸歯あり互生す、枝梢に花お開く、形山槎の花に同くして、数十百簇りて傘状おなす、実形も山槎子に同くして熟して赤し、又黄色なる者あり、是羊〓子なり、