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草木六部耕種法
十九需実
桜桃(ゆすら)は多く作りて産業と為すべき物には非ず、然れども百果の最初に熟して珍しき物なるお以て、此お作るも農事の一端なり、故に此物は活垣にするお良とす、花は紅紫二色有て愛すべく、実は三月熟するお、塩漬にして肴と為すべく、又蜜煮にして乾葡萄の如く製すれば、久しく貯べきの美菓なり、其実は竜葵(ほうづき)の大にして、〓は歯に脆く珍賞すべし、