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万葉集
十九
従京師贈来歌一首 山吹之(やまぶきの)、花執持而(はなとりもちて)、都礼毛奈久(つれもなく)、可礼爾之妹乎(かれにしいもお)、之努比都流可毛(しぬびつるかも)、 右四月五日、従留女之女郎所送也 詠山振花歌一首并短歌 宇都世美波(うつせみは)、恋乎繁美登(こひおしげみと)、春麻気氐(はるまけて)、念繁波(おもひしげれば)、引攀而(ひきよぢて)、折毛不折毛(おりもおらずも)、毎見(みるごとに)、情奈疑牟等(こヽろなぎむと)、繁山之(しげやまの)、谿弊爾生流(たにべにおふる)、山振乎(やまぶきお)、屋戸爾引植而(やどにひきうえて)、朝露爾(あさつゆに)、仁保弊流花乎(にほへるはなお)、毎見(みるごとに)、念者不止(おもひはやまず)、恋志繁母(こひししげしも)、〈江家〉 反歌 山吹乎(やまぶきお)、屋戸爾植氐波(やどにうえては)、見其等爾(みるごとに)、念者不止(おもひはやまず)、恋己曾益礼(こひこそまされ)、