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重修本草綱目啓蒙
二十四喬木
蘇方木 すはう(○○○)〈和名抄〉 すはうぎ(○○○○)〈今名〉 一名多邦〈明一統志〉 紅木〈東西洋考〉 巴〓居〈同上、呂宋の方言、〉 蘇枋〈南方草木状〉 〓木〈品字揃〉 和産なし、舶来多し、大泥(だに)、蘇門答刺(すもたら)、瓜哇(じやあ)、暹羅(しやむろ)、占城(ちやんば)、真臘(かぼちや)等の蛮国の産なり、此木外皮白し、然れども皆皮お去り来る、古渡の者色深し、今渡る者は皆色浅して下品なり、楊弓お造るにこの木お用ゆ、そのけづりくずお水にて濃煎し、物お染る時は、紫色に近し、故に紫色の仮とす、之お烏紅〈正字通〉と雲ふ、白礬お加へ染むる時は色紅なり、故に紅色の仮とす、然れども紅色にて染むる者に比すれば微〓なり、之お木紅〈本草〓言〉と雲ふ、