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続古事談
一王道
此御時、〈◯堀河〉或人内裏へ、柑子の木おまいらせたりけるお、なにがしのつぼにうへて、愛せさせ給ければ、蔵人滝口など集りて、木おからさじとて、家おつくりおほへりけるお、為隆参て此お見て、あれは何事ぞ、さる事やはあるべきとて、御くらの小舎人お召て、散々にこぼたせければ、木ほどなく枯にけれども、人ちからもおよばず、君もおほせらるヽ事なし、