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広益国産考

国産となるべき品々の事〈◯中略〉 房州上総の南海手の山畑に蜜柑おうえ、田には土佐の国のごとく、二度稲お植たらんには、是又又大ひなる国益ならんと年来思へども、其所の人は地力お尽したる心もちにて、別に利かたはなきものときはめいる也、右に論ずるごとく、東漸の常理なれば、数百年の後にはひらくる時節もあるなるべし、