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万葉集略解
十一下
あべ橘は甘橘にて、是即今有橘の事なるべしと翁〈◯賀茂真淵〉いはれき、されど和名抄に、爾雅雲、橙〈安倍太知波奈〉似柚小也とあり、暫是によるべし、こけは日蔭にて、奥山の木に生るものにて、橘など様の里の木には生ざれど、年久しき事の譬にいへり、