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重修本草綱目啓蒙
二十二味
蜀椒 なるはじかみ(○○○○○○)〈和名抄〉 ふさはじかみ(○○○○○○)〈同上〉 あさくらざんしやう(○○○○○○○○○) 一名峡椒〈事林広記〉 唐山にては蜀の国の山椒お上品とす、故に蜀椒と雲ふ、本邦にては、あさくらざんしやうお上品とす、蜀の国の種には非ざれども、蜀椒の名お借り用ゆ、この品元但州朝倉より出る故、あさくらざんしやうと雲ふ、今は丹波に多く伝へ種て、其地の名産となれり、摂州有馬にも多く栽ゆ、故に常椒おひんしやう、或はびんしやうと呼び、下品とす、今薬家には朝倉ざんしやうの子お去り殻のみお売る、葉は常椒より大にして、木に刺なし、実は常椒お三つ合せたる大さにして、辛味多く、香気多し、この木早く枯れ易し、故に多く接換す、