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農業全書
七四木
漆うるしお芳野にてうゆる法、先苗お仕立るは、秋子お取て俵に入、ぬれえんなど、つねに水つかふ辺りにおき、俵の上より水おそヽぎ、泔水(しろみづ)おも時々かけて、古筵こもなどおおほひ置ば、春になりて水青みて、芽立の見ゆる時、苗地お冬より耕しこなし熟し、糞おも多くうちさらし置たるお、畦作り、菜園のごとくしかきならし、種子おむらなくばらりとまきて、肥土お以ておほふ事、樹の厚き棚おかき、日おほひおし、旱せば水おそヽぎ、草はありともとらずして、一年は其まヽおき、二年の後、根の土ながら堀取移しうゆるなり、