[p.0474]
大和本草
十二雑木
黄櫨(はじ) 漆ぬるでの類也、其材作弓其葉秋紅なり、平原の地にも能紅也、多く植て可愛賞、其実蝋燭に作る、民うへて利とす、植る法其実おつとに包み水中に浸す事三七日稲子(もみ)おひたすが如し、取出てうふべし、後生ずるまで七日ほどは糞水おそヽぐべし、糞水は糞一桶に水二桶お合すべし、救荒本草に、回々醋と雲木あり、是はじの木か、琉球はじの木あり、実は常のはじより大なり、大豆ほどあり、小木の時より実のる、多くうへて可為蝋燭、民の利となる、其葉秋冬紅なり、可観賞、大木となりては実弥多くなる、