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古今要覧稿
草木
紅葉木 〈ひめまゆみ〉 紅葉木、又ひめまゆみともいへり、即まゆみの一種にして灌木なり、大なるものは五六尺にすぎず、小枝多く葉繁りて生ず、その葉まゆみに似て細小也、霜後紅葉甚鮮紅にして愛すべきものなり、故に紅葉木と呼、諸木のうち此もみぢ甚遅く染るものなり、十月末より少しづヽ色づき、十一月末紅葉鮮麗いふばかりなし、落葉は極月にいたる、其ながめ甚長し、春は早春より葉お生ず、全く葉なきは僅にふた月すぎざるものなり、