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大和本草
十二雑木
楓(おがつら) 江陰県志曰、似白楊葉厚枝弱善揺、故字従風、霜後色赤、合璧事類、楓葉円而岐分三角、今案和名に楓おおがつらと訓ず、その葉まことに白楊(はこやなぎ)に似て両々相対す、賀茂の祭に用るかつら是なり、又筑紫にてもかつらぎと雲、葉かへでより大きなり、花はさヽげの花のごとく三四月開く、形状は似たれども、からの書にいへるやうに、おかつらは紅葉せず香なし、是真に楓なりや未〓詳、朝鮮には楓あり、香ありと雲、桂お順和名に、めがつらと訓ず、おがつらに対す、楓おかへでと訓ずるはあやまれり、かへでは機樹也、