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和字正濫抄

中下に濁るし 木欒子 むくれにじのき 和名に蘇敬本草注お引ていはく、欒其子堪為数珠者也、和名お思へば、わらはべの愛する、むくろじといふ物は、むくれんじの転訛歟、これお数珠にすべき事、経軌の中には見えざれども、なしぬべき物なり、木槵子の事にやと見ゆれど、欒と槵と同じといはず、音もかはれば初の義なるべし、