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重修本草綱目啓蒙
二十五灌木
酸棗 さ子ぶと〈和名抄〉 さ子ぶとなつめ とうざくろ〈和州〉 からなつめ〈芸州〉 一名棘〈典籍便覧〉 山大棗〈村家方〉 猩猩果〈雲南通志〉 仁一名調睡参軍〈薬譜〉 享保年中に漢種渡りて諸国に栽ゆ、又新渡の〓お下しても生じ易し、樹葉花皆常の棗に異ならず、隻実の形円にして味酸く、食ふに堪へず、秋後赤く熟するに至れば食ふべし、其〓大にして常棗に異なり、〓甚堅し、打砕けば内に仁あり、形円にして扁し、是薬用の酸棗仁なり、然れども仁なき者多し、