[p.0516]
草木六部耕種法
十九需実
棗(なつめ)は実栽に宜しからずして〓木(さしき)に宜し、此れお〓には、二月中其の枝の壮にして拇指の太さなるお一尺二三寸に切り、切り口お炭の火にて焼き、少し潤ひある地に挿入こと五六寸、根辺お少しく蹈み付置くときは、三四十日の間に活著て、芽葉の生ずる者なり、乃ち草お耘て培養ひ成長せしむべし、能く延る者にて、其の年の中に五六尺にも至る、若し移し栽んことお欲せば、翌年の二月中に移すべし、寒中根辺に糞お入るときは、四五年の中に実結者なり、八月其の実お採るべし、