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大和本草
十果木
枳椇(けんほのなし) 実は鳥の足の如くまがれり、葉榎の葉の如し、大木にみのる、小樹にはみのらず、実は味甘し、食するに堪たり、酒およく消す、酒おかもすに、此木酒中に入れば酒化して水となる、此木お柱とすれば、屋中の酒薄くなる、本草に見えたり、丹渓酒病の久く難治、煎薬の中に加其実而服之愈、