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重修本草綱目啓蒙
二十五〓木
木槿 あさがほ(○○○○)〈万葉集〉 ゆうかげぐさ(○○○○○○)〈古歌〉 しのヽめぐさ(○○○○○○)〈同上〉 むくげ(○○○)〈京、木槿音転、〉 きはちす(○○○○)〈和名抄、奥州、〉 はちす(○○○)〈東国〉 きばち(○○○)〈奥州、常州、〉 もくげ(○○○)〈佐州雲州〉 もつき(○○○)〈総州常州〉 かきつばき(○○○○○)〈奥州〉 ぼんでんくは(○○○○○○)〈薩州〉 ぼてんくは(○○○○○)〈九州〉 一名瘧子花〈群芳譜〉 俊英 日給之花〈共同上〉 日給〈通雅〉 俊華〈同上〉 愛老〈正字通〉 洽容〈同上〉 裏梅花〈桂海虞衡志〉 麗木〈事物紺珠〉 時客〈同上〉 俊英〈名物法言〉 朝菌〈典籍便覧〉 朝華〈事物異名〉 朝生暮落〈通志略〉 及〈同上〉 奔籬〈福州府志〉 無窮花木〈郷薬本草〉 牛不挨〈薬性奇方〉 人家或は園野にこれお栽て藩籬とす、枝条繁茂す、其花蜀葵花に似て少し、夏秋の間に開く、朝に開き夕に斂る、故朝開暮落花と雲、古歌にあさがほと詠ぜり、単葉にして淡紫縹色なる者は尋常の者なり、千葉なる者あり、紫碧色にして千葉なる者あり、白花にして単葉或は千葉なる者あり、皆弁根深紅色なり、深紅花にして千葉なる者あり、花史左編に、大紅千葉槿と雲、木皮根皮お薬用とす、川槿皮是なり、川中の者上品なれども、土槿皮も亦用ゆべしと、本経逢原に雲り、 増、一種はまぼう(○○○○)と雲ものあり、海辺に産す、春新葉お生ず、葉の形円にして白楊の如し、花も尋常のものより大にして黄色なり、花戸にもこれお栽ゆ、別に漢名、黄槿〈李文饒文集〉 別に、ぼんでん花と称する者あり、近年花戸に伝へ栽ゆ、春新葉お互生す、葉の形木槿に似て薄く、花又多し、秋深て蕾お結び花お開く、大さ七八分にして紅色なり、冬月土窖中に収ざれば育せず、〓挿すれば能活す、又尋常の木槿に浅黄つまべにつまむらさき、又斑入あり、共に八重単葉あり、