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本草綱目訳義
三十六〓木
木芙蓉 ふよう〈◯中略〉 蓮花お水芙蓉と雲分る也、〈品字揃〉 古詩、芙蓉看欲酔、此木芙蓉開于江岸、渉江采芙蓉、乃芙蓉之生池沼者即荷花之謂也雲雲、此本条は庭に多くうゆ、木立なれども一年立也、春旧根より叢生す、高さ七八尺四五尺計、葉互生也、葉も大にして八寸ほどになる、七つほど尖あり、あらき居止あり、へちまの葉の如き形也、秋花つく、蜀葵花の如くして大なり、単のもの五弁にして弁本は白し、辺はうす紅也、蕊も木槿葵の如して同じ、此も朝開く、落る後実木槿と同じこと也、又白きあり、白して千葉のもあり、ふち赤して千葉もあり、千葉は花二日も持つもの也どれも実熟して苗枯る也、集解に川広有漆色拒霜花開白色、次日稍紅、明日則深紅と雲者は、三月比に花ある如に雲てあるとも、此は時珍の説は誤也、漆色拒霜は嶺南の産、故に時珍も不見して書れしものと見たり、一日の内にだん〳〵かわるもの也、