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草木六部耕種法
十一需花
木芙蓉は真土の肥たるに、馬糞人糞油糟等お能く耕交て植べし、春分に枝お斜に切て〓(さしき)すれば、其年の中に花開くものなり、時々其根に盛養水お澆ときは、大に能く繁栄す、花に紅白あり、且単なるも重弁なるも有り、又日々に花の謝(おつ)るもあり、或単にも八重にも、花の三四日経久もあり、又重弁にて開たる初日は白花にて、二日目には淡紅となり、三日目には本紅と為る者あり、此お酔芙蓉(すいふよう)とも添色芙蓉(てんしよくふよう)とも名く、珍花と称すべし、挟竹桃(けふちくとう)、頳桐(ひぎり)等お作るも大抵此に同じ、