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大和本草
十果木
獼猴桃(やまなし) 常に山梨と雲は、梨の山にある小きお雲、それにはあらず、藤かづらの如く大なるかづらなり、大木にはひ付てのぼる、葉は梨の葉に似て大さも同じ、実の大さ棗に倍す、大小あり、実の形棗に似たり、実の皮は梨実に能似て色も似たり、少青色なり、実の内に白き心あり、細なるさ子、心のまはりに多くつけり、其さ子は芥子(からし)の如し、実は冬にいたりて熟す、味甘し、食すべし、小児好んで食ふ、味は梨葡萄無花果などに似たり、茎の皮は子ばりあり、紙にすくべし、本草三十三巻に載之可考、