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紀伊続風土記
産物五
獼猴桃(やまなし)〈本草、本草和名之良久知、医心方和名抄並已久波、按ずるに、しらくちおこく(○○○○○○○)は、倶に今牟婁郡にても此名お呼ぶ、又こたおうとい(○○○○)ふ、藤蔓甚繁茂す、葉梨葉に似て長く互生す、夏月葉間に白花お開く、形梅花に似たり、後実お結ぶ、形棗に似て長さ一寸許、闊さ六七分下垂し、冬に至りて熟す、緑色にして褐色の班点あり、肉は緑色にして味甘く、小児採り食ふ、内に細子あり、下種して生じ易し、〉牟婁郡山中に多く産す、