[p.0550]
草木育種後編
下蘭類并冒称の類
夏椿 一名しやら(○○○)、日光にてさるすべり(○○○○○)といふ、花夏月開く、五出にして白色なり、実お春月早く蒔て、二三年お過て砧となし、春葉出ぬ前によび接にしてよし、一種豆州天城山に産するさるすべり、一名赤ぎといふものあり、似て花小なり、この木の枝お江戸の石匠石鏨の柄となす、又材は柱となして雅なり、盆に植たるは糞水お澆ぎてよし、花戸に多し、挿花に用ふ、