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重修本草綱目啓蒙
二十四喬木
石爪 詳ならず もくこくに充る説近し、もくこくは日州にてぽつぽう(○○○○)と雲、庭院に多く栽ゆ、葉は茵芋(みやましきみ)葉に似て闊く厚し深緑色にして光りあり、互生す、冬お経て凋まず、茎赤し、夏枝梢に花お開く、形瑞香花(ぢんてうけ)の如し、四弁にして厚し、色白し、衰て黄色に変ず、後実お生ず、形桃葉珊瑚(あおきの)実の如し、熟すれば自ら四つに裂て、内子見はる、其皮厚き故、甜瓜お四つに切りたる形に似たり、大抵集解説く所に近し、然れども的当に非ず、もくこくは四時常に紅葉お雑ゆ、故に古人西京雑記の葉一青一赤望之斑駁如錦繡の文に因て丹青樹とす、然ども述異記に上有五色葉、俗謂之五采樹と雲時は、丹青樹には当りがたし、