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重修本草綱目啓蒙
九芳草
瑞香〈◯中略〉 又黄瑞香あり、一名結香〈秘伝花鏡〉に見たり、和名みつまた(○○○○)、みつえだ(○○○○)、〈勢州〉みまたやなぎ(○○○○○○)、〈防州〉ゆづぶさ(○○○○)〈参州〉高さ七八尺、本幹枝叉皆三椏なり、花葉時お同せず、冬は葉なし、秋の末葉落れば已に枝端ごとにつぼみ、一朶づヽ下垂し、稚蜂(あかぱち)の窠の形の如し、春に至りて花お開く、紫瑞香花(ちんてうけ)より瘠長く、外白く内黄なり、香気なし、花終て新葉お生ず、夾竹桃葉に似て大にして両頭尖る、長さ七八寸、枝柔にして結びても折れず、故に結香と雲ふ、皮お以て紙に造る、