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佐渡志
五物産
柿 和名かき 所々多くあり、品類も亦甚多し、なかんずく栗の江(○○○)と名づくるもの殊に多し、栗野江村より出ればなり、女南甫史にいはゆる方帯柿なり、又真光寺村より出るものおだらり(○○○)となづく、長さ三寸、ひろさ二寸ばかり、牛心柿といふものなり、れんけ柿(○○○○)といふもの、形大にして蒂の周りの肉高く出て、円座しきたる様なり、箸蓋柿といふものなるべし、羽茂郡に藤内柿(○○○)あり、つりがき、くしがきとなして、奥州松前に送り交易すといふ、又方言めヽ柿(○○○)といふあり、やまがきともいふ、実小くして数多く生(なる)なり、猴棗お雲にや、交易するときいやしむなり、