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大和本草
十二花木
迎春花(わうばい) 小樹なり、然れども本草湿草下にのす、曰高者二三尺、方茎厚葉、葉如初生小椒葉而無歯、面青背淡雲々、所言皆わうばいと同、他書にものせたり、枝長し、竹お立て、かこみ助くべし、正月に黄花おひらく、故に迎春花と名づく、花のかたち梅に似たり、故に国俗に黄梅と雲、未土にうへざれども、枝の上に早く根お生ず、故に正二月梅雨の時さしてよく活す、二月に分植べし、枝地に垂れば根お出して倒に生ず、玄覧東有倒生之木といへり、此木も亦似たり、画譜に此花お描けり、其花絵にかきてまさるもの也、清少納言が枕草紙に絵にかきてまさるものお記せしに、是おのせず、此時此花木未来故なるべし、花史曰、結香花色鵝黄、較瑞香稍長、花開無葉、花謝葉生、枝極柔軟多以蟠結、篤信謂、是亦迎春花と一物なるべし、辛夷花も迎春花と雲(○○○○○○○○○)、与(○)此別也(○○○)、