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大和本草
十二雑木
山茶科(りやうぼふ/はたつまり) 救荒本草にのせたり、和名れうぼふと雲、藻塩草に令法(りやうほふ)ははたつまりと雲木の事也、古歌多しといへり、其葉よど川つヾじに似て、葉のさきとがる、木も枝もよど川つヽじに似て高し、凶年に飢民葉おとり蒸て食す、京都にも飢歳にはうる、又貧民は平時も煮て、飯の上におき、蒸て飯にまぜて食す味よし、其葉六七葉、枝のさきに一所に円に連生する事つヽじの如し、ふしくろ(○○○○)と雲小木あり、其葉お取て凶年に食す、山茶科と一類には非ず、山茶科救荒本草曰、科条高四五尺、枝梗灰白色、葉似皂莢葉而団、又似槐葉亦団、四五葉攅生一処、葉甚稠密、味苦、採嫩葉洩熟、水淘洗浄、油塩調食、亦可蒸晒乾作茶煮飲、